優れた本 [本]
村上春樹が好きでよく読んだ。
「風の歌を聴け」から始めて30冊ほどまでは持っている。
優れた小説についてのエッセイがあった(*1)。
優れた小説とは
何度でも読みかえすことのできる小説
(多面的な読み方のできる小説)と言っていた。
どれだけ他人が良いと言ったって新聞が激賞したって
そんなの関係ないと言っていた。
なるほど、そうだなと思う。
まさにその通り。
しかし、こいつを うっかり忘れてしまったときがある。
1994年、大江健三郎がノーベル文学賞をとった。
誰もが激賞していた(気がした)。
それで「あいまいな日本の私」(岩波新書)を買った
理解できない。
最初から読み返してみる。何度か試す。
それでも理解できず、しばらく読み続けてみる。
目がうつろになり、眠くなる。
おれはバカだ。
高山正之が救ってくれた:
---
この人の文章は、ノーベル文学賞作家という肩書を割り引いても分かりにくい。
何を言っているのかさっぱりだが、一応、筋道というか、言いたいらしいことが
二度か三度読むとぼんやりながら浮かんでくる。
この人の文章が入学試験やテストなどによく引用されるのは、
一読さっぱり意味不明というところが評価され、ついでに彼の天皇制批判、
戦後民主主義万歳の主張が共産党系の多い学校関係者にうけるからだろうと推測される。
でも、そんな文章をあてがわれる生徒たちには拷問といわないまでも、つらい仕打ちになる。
生徒は一読してまず思う。
「ボクは日本語を話せ、理解できると思っていた。それは間違いだったのだろうか」と。
いや、そんなはずはないと再読する。さっぱり。もしかして暗号かなと思って逆から読む。
少しは日本語らしくなるが、意味はやはり不明のまま。
やがて苦悩の底から疑念がわいてくる。ノーベル賞作家の書いた日本語が分からないのは
ボクは実は日本人ではなかったのか。
かくて多くの生徒がうつろな目で立ち上がり、ふらふらと、ときには絶叫して教室を飛び出し、
再び帰ってこなくなる。不登校や非行化は、もしかしたら彼にも責任の一端があるかもしれない。
---
(高山正之著 「A・センの困惑 歴史を途中から読むな」(2000年10月28日 東京夕刊))
力いれて笑ってしまった。
この記事に思わず頬ずりしてしまったかもしれない。
なんだ、”あいまい” なのは日本じゃない、大江健三郎本人じゃないか。
今じゃ「沖縄ノート」(岩波新書)で集団自決は軍部の強制だとか大ホラ吹いて嘘をつき、
しかもそれを恥じないでいるのを知っている。
サヨクの重厚なとりまきの巣窟でぬくぬくとしているのを知っている。
小説に限らず優れた本なり映画なりというのは自分が
面白い、もう一度読んでみよう、観てみようと思えるものだ、そう思う。
それにそいつは真実が書かれているものでなければいけない。
評論家やマスコミが激賞してたって嘘や悪意があればそんな激賞は関係ない。
(*1:「ちょっと手の内拝見」村上春樹、他(30人) 知的生き方文庫)
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「風の歌を聴け」から始めて30冊ほどまでは持っている。
優れた小説についてのエッセイがあった(*1)。
優れた小説とは
何度でも読みかえすことのできる小説
(多面的な読み方のできる小説)と言っていた。
どれだけ他人が良いと言ったって新聞が激賞したって
そんなの関係ないと言っていた。
なるほど、そうだなと思う。
まさにその通り。
しかし、こいつを うっかり忘れてしまったときがある。
1994年、大江健三郎がノーベル文学賞をとった。
誰もが激賞していた(気がした)。
それで「あいまいな日本の私」(岩波新書)を買った
理解できない。
最初から読み返してみる。何度か試す。
それでも理解できず、しばらく読み続けてみる。
目がうつろになり、眠くなる。
おれはバカだ。
高山正之が救ってくれた:
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この人の文章は、ノーベル文学賞作家という肩書を割り引いても分かりにくい。
何を言っているのかさっぱりだが、一応、筋道というか、言いたいらしいことが
二度か三度読むとぼんやりながら浮かんでくる。
この人の文章が入学試験やテストなどによく引用されるのは、
一読さっぱり意味不明というところが評価され、ついでに彼の天皇制批判、
戦後民主主義万歳の主張が共産党系の多い学校関係者にうけるからだろうと推測される。
でも、そんな文章をあてがわれる生徒たちには拷問といわないまでも、つらい仕打ちになる。
生徒は一読してまず思う。
「ボクは日本語を話せ、理解できると思っていた。それは間違いだったのだろうか」と。
いや、そんなはずはないと再読する。さっぱり。もしかして暗号かなと思って逆から読む。
少しは日本語らしくなるが、意味はやはり不明のまま。
やがて苦悩の底から疑念がわいてくる。ノーベル賞作家の書いた日本語が分からないのは
ボクは実は日本人ではなかったのか。
かくて多くの生徒がうつろな目で立ち上がり、ふらふらと、ときには絶叫して教室を飛び出し、
再び帰ってこなくなる。不登校や非行化は、もしかしたら彼にも責任の一端があるかもしれない。
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(高山正之著 「A・センの困惑 歴史を途中から読むな」(2000年10月28日 東京夕刊))
力いれて笑ってしまった。
この記事に思わず頬ずりしてしまったかもしれない。
なんだ、”あいまい” なのは日本じゃない、大江健三郎本人じゃないか。
今じゃ「沖縄ノート」(岩波新書)で集団自決は軍部の強制だとか大ホラ吹いて嘘をつき、
しかもそれを恥じないでいるのを知っている。
サヨクの重厚なとりまきの巣窟でぬくぬくとしているのを知っている。
小説に限らず優れた本なり映画なりというのは自分が
面白い、もう一度読んでみよう、観てみようと思えるものだ、そう思う。
それにそいつは真実が書かれているものでなければいけない。
評論家やマスコミが激賞してたって嘘や悪意があればそんな激賞は関係ない。
(*1:「ちょっと手の内拝見」村上春樹、他(30人) 知的生き方文庫)
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